【バリ島東部の伝統塩田】クサンバの天然塩って知ってる?
2024年4月20日
バリ島からこんにちは!朝ごはんは和食派、味噌汁とぬか漬けは欠かせないゲストライターのこなつ(@origami_batik_bali)です。
なぜ漬物の話を持ち出したかと言うと…最近、塩の美味しさに気づいてきたからです。何気なくスーパーで買っていた塩を、ここ3年前くらいからバリ島東部で採れる『クサンバの塩 (Kusamba Natural Salt)』に変えてから、お料理の旨味が変わったような…。毎日食べているぬか漬けも結構多めの量の塩を使うのですが、漬物の野菜の酸味がまろやかに感じられるんですよね。
とはいえ、なぜクサンバの塩が美味しいのか、なぜお土産として有名なのか、“天然で昔ながらの手作りだからかな…”くらいにしか思ってなかったのですが、調べてみると「なぜ?」の答えがかなり興味深かったので、皆さんにも紹介したいと思います!
どうやって塩を作るの?
とってもざっくり簡単に説明すると、日本のスーパーで売っているほとんどの食塩は、海水を電気分解してナトリウム濃度が高い塩水を作り、それを熱して塩の結晶を作り乾燥させたものです。その他、太陽と風の下、自然の力を使って人工的な熱処理をせずに塩の結晶を作る方法で作られた塩は、天日塩と呼ばれます。
クサンバの塩は「揚げ浜式塩田」という伝統的な塩作りの方法を用いており、これは戦時中に旧日本軍から伝わったのだそう。
「揚げ浜式塩田」のプロセス
① 海水を汲んできて、砂浜に撒く
② 砂に染み込ませて海水を乾燥させる
③ その後、砂を海水で洗って高濃度の海水を作る
④ 海水を濾過して砂を取り除く
⑤ 海水を天日で干して塩の結晶を取り出す
このプロセスを聞いただけでも、超重労働で根気のいることだと想像がつきます…
参考文献:https://www.shiojigyo.com/siohyakka/made/
クサンバの塩の秘密
日本にもその他海外各地でも美味しい塩、伝統の手法で作った塩、天日だけで乾燥させて作った塩はたくさんあります。その中でもクサンバの塩が有名な理由がありました!
稀な海流と海洋深層水
それはクサンバの沖の海流に秘密があるらしいのです。皆さん、“海洋深層水”という言葉は聞いたことありますか?海底200m以下にある海水が海洋深層水なのですが、この水には豊富な栄養分が含まれているのだそう。
普通はそんな深いところにある海水を陸地へ汲み出すなんて、専用ポンプでも使わないと無理…っていう話なんですが、クサンバの沖は2つの海流がぶつかり合うエリアで、そのため海洋深層水が海の表層に湧き上がっているらしいのです!
その海水を汲んで作った塩、ミネラルが多いのは間違いない!クサンバの塩を舐めてみた時に、単にしょっぱいだけじゃなく、甘みやコクがあるのはそういう理由だったんですね。
参考文献:https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/menu-aboutdsw/
噴火がもたらした溶岩ビーチ
そしてこの辺りのビーチは真っ黒な砂。私はヌサドゥアやジンバランの白砂を見慣れているからか、黒砂には熱とエネルギーを感じる気がします…
なぜ黒いのか?それは昔から繰り返されるアグン山の噴火によるものですね。真っ黒な溶岩には豊富な栄養が含まれています。それが風化されたり波によって砕かれて、バリ島東部の黒いビーチが出来上がっているわけです。
つまり、“海洋深層水の栄養+溶岩の成分+南国の太陽”のエッセンスがクサンバの塩には含まれている!ということになりますね。まさに自然のパワーの結晶。すごい!
クサンバ塩田で塩作りを見学
クサンバはバリ島東部にあります。南部の空港エリアからは車で片道約1時間半。近くにはコウモリの洞窟で有名なゴアラワ寺院もあり、絶品魚料理のワルンがあったり、道端の露店では採れたての魚やヤシ酒のアラックが売られているなど、のどかな雰囲気です。
綺麗に均された砂があたり一面に広がります。
そして海の方から天秤棒を抱えたおじさんが。。。
天秤を揺らしながら、海水をチャプチャプ砂の上に撒いていきます。
塩田で乾燥させた砂を海水に通して、高濃度の塩水を作る工程へ。写真背景にある舟形の器具を通して濾過します。壺には塩水が入っています。
濾過した塩水をボートみたいにくりぬいたヤシの木の上に流して、乾かして結晶化します。
できあがった塩は【1kg /30,000ルピア〜】で販売されています。この工程を見ると安過ぎじゃないか…と思ってしまいます。(雨季12月〜3月頃は雨が多く、採れる塩も少なくなるので値上がることも)
自然の中で作っている物ゆえに…ですが、時期によって塩に含まれる水分が全然違います。乾季の6〜10月頃は、サラサラかつ粒が大きくてキラキラの塩が購入できます!
お土産にもお勧め!美味しい塩で健康になろう
じゃん!クサンバの塩(左)とスーパーの塩(右)を並べて、アップで撮ってみました。違いがわかりますか?クサンバの塩の方が明らかに結晶の粒が大きくて、透明度が高いですよね。クリスタルみたい!
冒頭でも話した通り、クサンバの塩を使うとどんなお料理でも旨味が足されて、さらに美味しくなります。塩むすびやキュウリにつけて丸かじりも絶対に美味しいですね〜 私は夜中にお腹が空いた時、ゆで卵にクサンバの塩をつけて丸かじりしてます(笑)
これからの汗をかく暑い季節、塩分とミネラル摂取は大切ですしね。クサンバで1kgの塩を購入して、日本に帰ってから小袋に詰めてお友達にお土産として配るのもオススメです!
クサンバまでは遠くて行けないけど、購入したいなぁ…という方、Pepitoスーパーマーケットを覗いてみてください。バリ島の各エリアに必ずある、セレクト食品を扱うチェーンスーパーです。全店舗にあるとは限りませんが、クサンバ天然塩(200g)が38,500ルピアで販売されていました。
バリ島東部の旅もバリ倶楽部にお任せ!
なぜクサンバの塩が美味しいのか?理由を知るとやっぱり現地に行ってみたくなりますよね!
バリ島東部は少し遠いので、王道ツアーではなかなか行かないエリアではありますが、周辺には見どころが沢山あります。
・バリ先住民族の村トゥガナン
・王族の避暑地ティルタ・ガンガ、タマン・ウジュン
・ゴアラワ寺院、ブサキ寺院 .. などがおすすめです!
バリ倶楽部ではバリの歴史やその土地ならではの魅力を語ってくれるガイドと一緒に出かける、オーダーメイドのカーチャーターもあります。ぜひお問い合わせくださいね。
バリ島東部へ行くこちらのツアーもオススメ!
※内容は2024年4月の情報に基づきます。
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