
19世紀半ばにダーウィンと同じくらい生物地理学に貢献した、
イギリス人の博物学者、生物地理学者、探検家が存在しました。
過去のブログ記事でも何度か紹介した
アルフレッド・ラッセル・ウォレスという人物です。
彼は8年間かけて、インドネシア各地を探検、探索し
ダーウィンと同時平行的に進化論、自然選択説を樹立しました。
そのウォレスが1856年6月~7月に
スラウェシ島のマカッサルへ向かう途中にバリ島によりました。
彼が当時見た光景や探検したことが著書の
マレー諸島、オランウータンと極楽鳥の国
書き記されています。
第10章
バリおよびロンボック
(1856年6月、7月)
~バリ島とロンボック島の重要さついて~
「バリおよびロンボックはジャワの東の端に位置し、特別に興味深い島である。
なぜならマレー諸島全体でまだヒンズー教が残っている唯一の島々であり、
また東半球の動物の二大分布区の両端をなしている島だからである。
両島は外観や物理学的な特徴では非常によく似ているけれども、
それぞれの動植物は著しく違っている。
マカッサルへ向かう途中これといった目的もなくこれらの島々に立
ち寄った。もしシンガポールからマカッサルに直接渡ることができたなら、
私は決してこれらの島々へ行くことはなかっただろう。
またもしここに立ち寄ることがなかったら、東洋における私の探検全体での
最も重要な発見のいくつかを見逃していたことだろう。
~バリ島の女性について~
「ここでは(バリ島)女達は夫を助けて商売をしたりしてよく働く。
その習慣はイスラム教徒のマレー人では決して見られないことである。」
~朝日と夕日について~
日の出と日没の時は、豪華な眺望であった。
その山々は麓を包んでいる霧と雲から頭を覗かせ、
鮮やかに輝き始め、その色合いの変化は熱帯の一日のうちでも
最も魅力的な瞬間である。
~バリ島の棚田や田園風景について~
「ここに滞在した二日間の間、その土地のありのままの姿や生産力を探るために、
あちこち歩き回って、私は驚き感激した。
ヨーロッパ以外では一度もこのように美しい見事に耕された地方を
見たことがなかったからである。
樹木の茂みやあるいは耕された丘陵の美しい連なりと境を接していた。
ココヤシやタマリンドや他の果樹の密生した茂みで区切られて、
家屋や村落あちこちに散在していた。」
一歩、それら(家屋や村落)の間に広がる豊かな水田は、
ヨーロッパの最も良く耕されている地方の最良の耕地にも匹敵するほど
念入りに作られた灌漑方法によって水が供給されていた。
(灌漑(かんがい):水路を作って田畑に必要な水を引き、土地をうるおすこと。)
水は山から流れ落ちてきた流れを全て利用しているのである。
それぞれの土地には今は種々の成長段階の作物が栽培されており、
その一部はほとんど刈り取り直前の状態であり、
よく茂って緑の色合いが極めて美しかった。」

Alfred Russel Wallace(1890). The Malay Archipelago., London:
Macmillan and co(アルフレッド・R・ウォレス
宮田彬(訳)(1991)マレー諸島 思索社)
本当のバリ島を感じるツアー、バリ島倶楽部のホームページへ
バリ倶楽部WEBマガジン
毎月10日、20日、30日はバリ島を感じる日

登録フォーム

バリブロのブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします。

にほんブログ村