依頼内容

今回、Kさんのご依頼で素敵なオンライン企画をさせていただきました。

依頼内容は『Kさんのお父様が大切にしているバリ島の絵画の風景を探し出して、その場所をオンラインツアーで案内する』というもの。

きっかけ

このバリ絵画はKさんのお父様の思い出の品。お父様のご友人Aさんが戦時中にバリ島で描いた絵だそうです。描かれているのはバリの霊峰アグン山と、穏やかな田んぼの景色。

お父さまはこの絵を今も大切に自宅に飾られ、Kさんはいつかお父様をバリ島へ連れて行き、その風景を見せたいと思っていたそうです。

そんな中で新型コロナが世界中に広がってしまいました。（父は高齢だしもうこの絵の景色を見せるチャンスはないかも…）と諦めかけた時、Twitterでバリ倶楽部の存在を知り、連絡してくれたのです。

バリ島現地ツアーのスペシャリストとして、絵の景色を見つけ出してお父様に喜んで頂けるオンラインツアーをご案内したく、ご依頼をお引き受けすることにしました。

長年の夢をオンラインで実現

まずは絵の場所探しからはじまりました。

場所探しに苦戦

アグン山周辺を車で巡りながら、注意深く同じ景色の場所を探すことにしたのですが、これがとても難しく・・！社内で「この場所を最初に見つけた人にボーナスあげる！」というキャンペーンを設けたほどでした笑。

各方角から見えるアグン山の山頂に着目

アグン山は戦後1963年と2017年の2回噴火しているので山頂の形が変わってる可能性もありましたが、絵の中で描かれているアグン山の山頂に着目して、各方角から見えるアグン山の写真と照らし合わせながら検証することにしました。

① 南南西側のシデメン村からのアグン山

まずはシデメン村から見るアグン山ですが、山頂が左側へだんだん高くなって絵画のアグン山と違います。

② 東側にあるランプヤン寺院から見えるアグン山

ランプヤン寺院から見えるアグン山は円すい型なので、残念ながらここも違います。

③ 西部ベサキ寺院付近からのアグン山

アグン山の西部にあるベサキ寺院付近から見るアグン山は少し絵画のアグン山に近いように見えますが、山頂が平行なところが違います。

④ 北西のバトゥール湖付近から見えるアグン山

バトゥール湖付近から見えるアグン山も山自体が円すい型なので、この辺りでは無さそうです。

⑤ 南南東のティルタガンガ付近から見たアグン山

少しだけ山頂が右肩上がりのアグン山を見つけました。更にこの周辺を調査することにしました。

村人に聞き込み調査！

地元の人に聞き込み調査をします。

⑥ ついに特定！ベバンダム村から見えるアグン山

村の方に聞き込みしてみると、戦時中この辺りに日本兵が常駐してたという情報もありました！

このベバンダム村から見るアグン山が絵画に一番近かったので、Kさんに場所が特定できたと考えられる旨を伝え、オンラインツアーが実現できる事になりました。

オンラインツアー当日

当日ツアーに参加されたのは、Kさんとお父様に加え、ご親族の皆さんです。

皆さんバリ島に訪れたことがなかったので、絵画と同じ風景をお見せするだけにせず、バリ島の魅力を組み込んだ90分のツアーを準備しました。

ツアー内容

• 調査で見つけた絵画の風景に近い景色をご案内
• 世界遺産の灌漑水利様式スバックについて紹介
• 別カメラに切り替え、伝統的なバリの村を散歩してバリヒンズー教や寺院についてご案内
• バリコーヒーと地元のおやつを紹介
• バリ島名物！豚の丸焼き料理バビグリンを紹介

田んぼで刈入れ中の農家の方にインタビューしながら、内容濃くご案内出来ました。

ツアー代金

今回のオンライン企画は、15,000円でお引き受けさせて頂きました。

ツアーに関わった費用

• 場所特定の調査代
• 場所までの移動費（車で3時間の移動でした）
• かかわったスタッフ総勢5人
• オンラインツアーのコーディネート代

ツアー料金に含まれるもの

• ご親族全員ツアーに参加が可能
• アーカイブ動画プレゼント

Kさんからの感想

この度は楽しいオンラインツアーをご案内いただき、本当にありがとうございました。お陰様で父も私達も念願叶い、実際の風景を見ることができ、とても嬉しかったです。

尾島様は、最初の相談から親身に事情を聞いてくださり、『絵画にある風景を探しましょう』と、わざわざ時間をかけて探してくださいました。

ツアー当日は、まさに絵の中にあったアグン山と、麓に広がる田園風景があり、
父が何度も絵画とテレビ画面を見比べながら、嬉しそうにしていました。

また、バリの農業システムや寺院の説明を聞きながら、地元の方々の生活も垣間見ることができました。その場でスタッフの方に質問したり、会話を交わしながら楽しく参加できました。

何気ない場面でしたが、大変驚いたことは、スタッフの方がコーヒーを紹介された時、口を付ける前に地面へのお供えを、当たり前のようにされていることでした。

その姿を拝見して、身に備わっている信仰の深さに、家族皆が感銘を受けました。私達も普段の感謝がまだまだ足りないね、と反省しきりでした。

尾島様がスタッフの方に接する時の、穏やかで思いやりのある姿も印象的で、温かい気持ちになりました。

父は『おもしろかったなぁ、よかったなぁ』と何度も言っては感慨深げな様子でした。諦めていたアグン山の風景を、ゆっくり見せてあげられて本当によかったです。

今回、突然のお願いにも関わらず、とても親切にご対応くださった尾島様、スタッフの皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。

まとめ

絵の風景探しは難航し、一時は諦めかけましたが、最後の最後に場所を特定できて本当に良かったです。

その頃インドネシアはコロナの感染が急激に広がり、何度か日程を再調整して、やっと8月15日にご案内できました。　

8月15日はくしくも終戦の日。
今は亡き当時絵画を描いたご友人の助けがあったと感謝しかありません。

戦時中沢山の方が大変な時代を過ごしたことを決して忘れず、戦争を二度と繰り返さず、今を感謝し改めてこの時代を一生懸命生き抜こうと決心した一日でした。

このような機会を頂けたことが有難く、お父様をはじめ皆様が楽しんで下さり本当に案内した甲斐がありました。

話が脱線しちゃいましたが、バリ倶楽部はオンライン何でも屋として様々なご依頼をお手伝いいたします。ご相談、お待ちしてます！