【 バリ島の儀式 】新築に入居するときの儀式
2018年3月23日
こんにちはバリ倶楽部のさすけです。
バリ島に来たら一度は見かける、伝統衣装を身にまとい、儀式をしているバリ島の人たち。
何をしているんだろう?なんの儀式だろう?と疑問に思うかたも多いと思います。そもそも儀式なのかもわからないことも多々あるとおもいます。
儀式を紹介する前に、バリ島の道端や色んなところで見かける、お花のお供え物はなんだろう?と思っているかたは別の記事で紹介しました。
バリ島の日常を彩る小さなお供え物、チャナン
バリ島の日常に儀式は欠かせない、なにごとにも儀式が行われます。儀式好きではなくマメなんです。バリ島で行われている儀式は大きく分けると5つに分類されます。
バリ島儀式の5つの分類
バリ島で儀式はヤドニャ(yadnya)といいます。サンスクリット語が語源で【純粋な心からのお供えもの】という意味です。儀式(ヤドニャ)は大きく5つに分類されます。
- 神さまへの儀式(dewa yadnya)
- ご先祖さまへの儀式(pitra yadnya)
- 宗教的リーダーへの儀式(rsi yadnya)
- 人間への儀式(manusa yadnya)
- 自然への儀式(bhuta yadnya)
今回はバリ島で一般的に行われている一つの儀式を紹介します。
新築に入居した時の儀式
新築して入居したとき、バリ島では必ず儀式をします。新築にかぎらず新たなオフィスや家に移ったとき、改装工事のあともやります。この儀式はムラスパスやムマクフ(melaspas/memakuh)といいます。規模は小さくなりますが、バイクや車など買ったときも同じ儀式をします。
ムラスパスやムマクフの意味
自然に感謝と自然からいただいた資源(建築資材)を清め、付着しているエネルギーを中和して住みやすいようにするという意味の儀式です。バリ島の考えかたで、自然のあるあらゆる要素はエネルギーをもっていて、ポジティブなエネルギーもあればネガティブなエネルギーもあります。
自然の形をかえることは少なくともエネルギーを乱す。そのエネルギーを中和して、ニュートラルな状態にして、新たなかたち(住居やオフィスなど)として使う。
自然に感謝するとともに、神さまや元々その地に住んでた、目に見えないもの(魔物、妖怪など)にお供えをして、居させてもらう報告と許可もこの儀式に含まれています。日本のお祓いにちかい感じですね。
儀式のその後
ムラスパス/ムマクフ儀式の一環で建物に神棚、祠や石像を設置します。儀式の後にその建物の用途によって関係寺院に参拝して聖水をいただき、神棚や祠に奉納します。建物がビジネスのためだったら、商売繁盛の寺院の聖水をいただきます。建物にマッチしたエネルギー(聖水)が奉納されることによって、建物の用途とエネルギーとがコネクトされ、適合な雰囲気が生まれと言われています。
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感謝の気持ちを忘れないために、神棚、祠や石像に毎日お供えをします。この時はもちろん魔物や妖怪にもお供えします。
まとめ
バリ島の独特な習慣や文化はこのように現実世界(スカラ・sekala)だけではなく、目に見えない世界(ニスカラ・niskala)のケアもします。物理的な努力だけではなく、お祈りや儀式などを通じての努力も惜しまない。その両方、両面を行うことによって、はじめていいバランスが生まれると信じられています。紹介した儀式をとおいしてここまで自然に対するアフターケアをするバリ島の人々に感心するばかりです。
時代の流れとともに形だけ残って、ちゃんとした儀式の意味合いを忘れがちという傾向もあるそうですが、なくなることはなくてもバリ島ならではのコンセプト、哲学は貴重なバリ島の財産なのでもっともっと大事にして色あせないようにしたいですね。