【バリ島一人漂流記】〜孤独な食卓編〜
2018年2月17日
こんにちは!バリ倶楽部ゲストライターのしおりです!
「異国の地、バリで一人暮らしをしています。」
なんて言うと、「寂しくないの?」「心細くない?」と心配されますが・・・
さて、実際のところ、バリでの一人暮らしってどんな感じなんでしょうか。
ということで今回は、バリ島一人暮らし歴わずか三週間の私が、生意気にもバリでの孤独な一人暮らしについてお伝えします!
初回(続編も書く予定です!)は、一人暮らしに付き纏う、孤独な食卓についてです!
おしゃべり大好きおじさんのナシゴレン
自覚症状があるくらいマイペースな私ですが、ご飯を食べるときだけ急に他人のぬくもりを求め出します。
美味しいものを食べたら、その気持ちを誰かと共有しないと気が済まない、面倒くさいやつなんです。
でもまさか、毎食友達を誘って出かけるなんて、そんな協調性のあることができるわけもなく・・・
夜ご飯を求めて一人向かった先は、ナシゴレン屋さんの屋台。
私がナシゴレンを注文するや否や、「さっきドイツ人が、一人で五人分のナシゴレンを買っていったよ!!!一人で食べるらしいよ!!!」と満面の笑みで話し出すおじちゃん。
ものすごい勢いで報告してくれるから、私も思わず「すごいねすごいね」と何度も頷いてみせます。
おじちゃんは私の反応を見て満足気に頷くと、包丁を握って調理をスタート。
雨音に混じって、トントントントン、ネギを切る軽やかな音が響きます。
ああ、いいなあ。気持ちよい音だなあ。
と情緒のある感想を抱けるのも、私の場合は最初の3分だけ。
徐々にこみ上げる退屈な気持ちと寂しい気持ちに、ずぶずぶ沈められかけていると・・・来客が。
おじちゃんはさっきの話を繰り返し、私は見知らぬ人たちとこの驚きを共有し、そしてまた来客が・・・の無限ループ。
そんなこんなで、ナシゴレンはなかなか作り終わりません。
一人でご飯を食べに来たのに、思いがけず賑やかな夕食になりました。
世話焼きおばちゃんのナシチャンプル
自己紹介でも書きましたが、ウダヤナ大学でインドネシア語を勉強しています!
一人暮らしだとインドネシア語を話す機会が少なくて、なんだか物足りないし、これではよろしくない。
せめて街の人の会話を聞いてリスニングの練習をしようと、地元の人で賑わうナシチャンプルのお店に一人で足を運びました。
どれにしようかなあ、と悩んでいると後ろからおばちゃんの声が。
「これ、何か知っている?」
おかずの一つを指さし、このドヤ顔で聞いてきました。
首を横に振ると、「○○っていう野菜だよ。」と得意げに正解を披露。
「あ、そうなんだありがとう。○○って言うのね。」
私が答えるとすかさず、「あ!発音が違うよ。もう一回言ってごらん。」とまさかのご指導。
正しく発音できるようになったと思ったら、今度は別のおばちゃんが登場。
私が選ぼうとしているおかずをトレイに戻し、「これは辛いから、あんたにはまだ早いよ。」と食のご指導が始まりました。
初対面だよね?おばちゃんたち、私と初対面だよね?
という疑問を何度も飲み込み、やっとおかずを選び終わって席に着きます。
店内を行き来するおばちゃんたちは目が合う度に、「おいしい?おいしいかい?」と聞きに来て、お会計のときも「おつりはいくらでしょーか?!」っていうクイズを出してきました。
今では私はこのお店の常連になっているどころか、キッチンもすでに見学済みです。
もはや、孤独な食卓ではない
今日はもうインドネシア語も英語も話すのに疲れたから、部屋に籠ろう!
部屋で一人でご飯を食べよう!
これぞ、真の孤独な食卓!!一人暮らし万歳!!
ということでテイクアウトしたナシチャンプルと共に帰宅すると、アパートの二階のバルコニーがなにやら騒がしい。
見上げると同い年くらいの女の子が四人、こっちに手を振っています。
「一人?ご飯、一人なの?一緒に食べない?食べるよね?食べよう!二階においで!」
今日は孤独な食卓気分だったのに私は単純な人間なので、誘ってもらえたことが嬉しくて、迷わず彼女たちのお部屋にお邪魔しました。
孤独な食卓はどこへやら。
もはや、一人暮らしですらない
あれ?
孤独な食卓について書きたかったのに、孤独要素がほとんどない!
そうなんです。
よくよく振り返ってみたら、バリではたとえ一人暮らしでも、完全に孤独な食卓がなかなか見当たらないんです。
こうなるともはや、一人暮らしをしているというよりも、バリという大きな大きな家にお邪魔して、大勢の人たちと一緒に住んでいるような気持ちになります。
ほっと心が落ち着く瞬間と、温かな驚きが絶えない、バリ島。
お客様からのメッセージ