バリ島の人はなぜ泳げない?バリ島&レンボンガン島、海のコンセプト
2018年5月3日
こんにちは、バリ倶楽部のさすけです。
バリ島のほとんどは泳げないってご存知ですか?
海にかこまれている島にもかかわらず、みんな泳げない。
家の近所にすんでいる、ベテラン漁師のおじちゃんが泳げないと聞いたときはビックリしました。
バリ倶楽部のガイドたちもいまやシュノーケリングのエクスパートですけど、入社当初は泳げないひとがほとんどです。なぜみんな泳げないの?ひとことでいうと海が怖いんです。
なぜ怖いのか?主な原因はバリ島の海にたいするコンセプトにあると思います。
海のコンセプト
2極という教え
バリ倶楽部のツアーのなかでガイドがいつも説明する、2極や2面性のコンセプト。
バリ島の考え方ではこの宇宙には2極のものが存在して、どちらかにかたよることは良くなくて、バランスを大事にします。バランスが調和のカギ、調和が幸せのカギというコンセプトです。
2極の代表的なシンボルは山と海です。父なる天(山)と母なる地(海)といわれていて、海は清めるちから、とどうじに破壊するちからももっていると信じられています。海=怖いイメージがあります。浅瀬で遊ぶことはあっても海で泳ぐことはめったにないです。
休日の朝のサヌールビーチに行くと、地元の人が温泉で浸かっているかのように浅瀬で海水浴しています。海は身体を清める、病気をなおす効果があると言われているので、昔から海で浸かるのが一つのセラピーとして行われています。
お葬式
バリ島北部、トルニャン村の風葬という珍しい文化をのぞいて、バリ島は基本的に火葬です。火葬したあとは海で散骨します。海が遠い地域の人々は湖や川で散骨します。
人間の体は5つの要素からできているといわれています。固形物(骨、土)、液体(血、水)、気体(呼吸、風)、エネルギー(気、火)と空間です。人間が死んだときはこの5つの要素に戻してあげることが残された人々ができる最大限のこと。バリ島のお葬式は身体のもととなる5つの要素にもどし、魂が成仏できますように祈りをこめて儀式をおこないます。
また、遺灰を海に流すことにより、亡くなった人の魂があの世での道のりがスムーズになるためにおこなっています。土葬の場合はその地にしばられてしまう、制限されるに対し、海はどこにでも続くということから、海に流します。魂がやり残したことや恩義のある地にたどり着けるようにという意味もこめているそうです。
海の神様
レンボンガン島にいったことあるかたは思うかも知りませんが、レンボンガン島のレストランや宿泊施設にやたらとガネーシャがおいてあります。そのガネーシャに毎日お供えものをして、まつられています。不思議に思って地元の人にきいてみたら、「レンボンガン島の海には金色のガネーシャがいるんだ」といわれました。「実際にみたことある」とまでいってました。
話をきくと、シュノーケリングを試しにやった時に海底で光っている、黄色い物体を発見した。よくよくみたら金色に光っているガネーシャだったそうです。怖くなってすぐにあがって、いらいシュノーケリングはしていないそうです。
バリ島の信仰では海の神様はバルナ神といいます。【ダラムスガラ・海の王様】ともよばれていて、大きな金色のお魚という形でまつられています。
この上の石像が海の王様のシンボルです。ペニダ島のダラムペッド寺院でまつられていて、ペニダ島とバリ島の間の海底に宮殿があると信じられています。
ガネーシャは守り神、ダラムスガラは海の支配者です。
まとめ
バリ島は日本みたいに水泳の授業もないし、スイミングスクールも一般的ではない。ということもあってかほとんどの人は泳げません。最近の子供たちは泳ぐ練習をしたりしますが、ごくいちぶです。
海底には海の神様の宮殿があったり、海は清めるちからがあって、散骨する場所だったり、そういった理由もあって海は【泳ぐべき場所】ではないという考え方です。
海やビーチにかんしての考えかたは良くも悪くも変わりつつあります。より多くのバリ人がシュノーケリングをトライしてみたりしています。バリ島のサンゴ礁の素晴らしさを自分の目で見るのがはじめてというかたも大勢います。バリ島の教えで、海は神聖な場所ですので、海をよごしたりしないようにしたいですね。
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